bed room

するりとベッドを抜け出して行った時任。
一度は取り上げられた煙草を再び手に取ってはみたものの、火は付けずに手の中で弄ぶ。
せっかく時任が残していったキスの感触を、煙草なんかで消してしまうのは勿体ない。
それでも手持ち無沙汰に、まだ僅かに時任の体温が残るシーツをさらりと撫でれば、自然と笑みが浮かぶ。
何気なく時計に目を遣ると、先程まで微かに聞こえていたシャワーの音が、もう長いこと聞こえてこない事に気付く。

「……人には寝そうだから、とか言っておいて」

お風呂で溺れてたらどしようかなー、と危機的な状況を呑気に考えながら、ベッドの下に散らかった衣服を身につけ、ゆっくりとした足取りで浴室に向かった。

『after』→『bath room 』→『bed room』→?