since 2005年8月12日
その夜は珍しく早くに休むことが出来た。
三日三晩ゲームをやり込んだ時任と、昼夜を問わず連日のようにバイトに明け暮れた久保田が一緒に
眠るのは、 久し振りの事。
だからこそ。
「……時任?」
馴染んだ体温にうとうとし始めた頃、ベッドがぎしり、と軋みを上げた。
身体に伸し掛かる重みに、目を開ける。
「なぁ、喰っていい?」
「……だめ」
触れてくる唇が、指先が熱い。
見下ろす瞳は熱っぽく、綺麗な弧を描く唇は何時にも増して紅く。
「じゃあ……喰われるのは?」
「いいよ。食べてあげる」
笑みを含んだ久保田の声に、時任がニコリと嘲う。
「食べて“あげる”?」
「食べさせてクダサイ」
躾どおり。