気分屋

ぺたぺた。のそのそ。言い表すなら、そんな形容詞。
いつもよりもずっとずっと、低い目線。
目指したゴールは久保ちゃん。の、膝の上。

「時任」

広げた新聞はぐちゃぐちゃ。

「何してるの?」

インクに汚れた手。

「俺様を構えこーげき」

掴んだ久保ちゃんのシャツも黒くする。

「はいはい。何して構えばいいのかな?」

頭に乗せられた、大好きな手。

「そんなの自分で考えろ」

服の裾を探る手はぴしゃりと叩く。

「我が儘ね」

苦笑する顔を睨みつけた。

「久保ちゃん、」

タバコ、邪魔。

猫の気持ち、みたいな。