与えて-0824-

久しぶりに熟睡出来たような気がする。
それでも目覚めるには、まだ大分早い時間。
ベッドの上に身体を起こそうとして、すぐにそれは適わない事だと悟った。

俺の背中にしっかりと回されてる、時任の両腕。
そして、気付く。

――ああ、今日は誕生日だ。

思い出すのは昨夜の「明日は誕生日だから、ずっと一緒に居てやる」という、時任の言葉。
宣言通り、眠っていてもなお俺と一緒に居てくれようとする時任が、あまりにも。

「もうダメだね。好き過ぎて」

俺の傍で安心しきったような顔をして眠る時任の寝顔を見つめている、ただそれだけで。
これ以上、望むモノなんて、何も無いのだけど。

ただ一つ、誕生日に願うならば。
どうか、安らかな眠りを。

いつまでも。

久保ちゃんHappy Birthday!