want me

ひどく湿った吐息が二人の口から漏れる度、空気に紛れて静けさを取り戻した室内に満ちていく。
荒いだ息を整えるよりも早く脱力しきった身体を、同じように荒い呼吸を繰り返す時任に預けた
まま、久保田はその肩口に顔を埋めた。
熱を孕んだ肌に浮かぶ汗が冷え始め、寒さを感じる前に足元に蹴り固められたタオルケットを
爪先で引き上げようとした、その時。

「ときと……?」

もぞりと、腰の辺りを走った違和感。
伏せていた顔を上げて時任の顔を覗き込むと、妖艶な光を宿した視線に出会った。
そして再び、今度は分かりやすいほどはっきりと腰を揺らして、膝先を使いながらあからさまに
下半身を刺激する動きを見せた。

「ん……、」

達したばかりの身体は少しの刺激で簡単に火が灯る。
つい今し方まで収めていたその場所に、再び深く埋め込んでしまいたい衝動にかられた。
さらにそれを煽るかのように背中に回されてた腕はそのままに、背筋から腰をなぞる様に滑っていく
指先に

「……イジワル」

耳朶に軽く歯を立てながら、ひっそりと囁いて。
抱え上げた足の狭間に腰を埋めながら、焼けるような熱に溺れた。