since 2005年8月12日
ソファーに横になっていたらつい、うとうとと。
それでも目を開ける気にはならなくて、微睡んだまま時任の気配を探る。
そういえば、風呂入って来るって言ってたっけ。
遠くにシャワーの音を捉えて、交わした会話を思い出す。
普段なら気にも留めない、当たり前に聞こえる生活音。
シャワーをフックに掛ける音、浴室のドアが開く音。
だんだんと近づいてくる、湯上りの湿った足音。
目を閉じたまま全ての音に耳を澄ませると尚更時任の気配を強く感じて、聞こえる音だけに集中する。
ああ、でもやっぱり、
「久保ちゃん?寝てんの?」
「……起きてるよ。おかえり」
本人には敵わない。
twitter:#WA版文字書き60分一本勝負