since 2005年8月12日
視線の先で、時任の身体がゲームの画面に釣られて左右に揺れる。
面白いなあ、と眺め始めてからそろそろ2時間。
いい加減、時任の背中ばかりを見ているのも飽きてた。
「ときとー」
無駄だと知りつつ、声を掛ける。
案の定、耳に入らないのか時任の視線はテレビから離れない。
「そろそろ俺に構ってよ」
短くなった煙草を灰皿に押し付けて、そっと時任の背後に忍び寄る。
「時任」
「っ!なに久保ちゃん」
びっくりした。
振り向いて見上げる時任と目が合う。
重なった視線に笑いかけた。
twitter:#WA版文字書き60分一本勝負