手(※滝時注意)

不意に目が覚めた。
部屋の暗さからまだ朝には程遠い事を知って、いつの間にか冷えてしまった肩を温めようと布団を引き上げ潜り込む。
その途端に感じた、セッタじゃない煙草の匂い。
同時に身体を這う不躾な手の感触に、目が覚めたのはコレのせいか、と小さく舌打ち。

「あれ、トッキー起きたの?」

なんて、背後から聞こえた白々しいセリフに振り返る。

「起こされたの」

暗がりの中向けられた、隠そうともしない欲を孕んだ目を塞いだ。

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