朝食

二度目に目を覚ました時にはもう随分と日も高くなっていた。
それは、朝というにはもう遅くて昼というには少しばかり早い時間。
ひっそりと笑んで、隣で未だ眠る久保田の肩を揺らす。

「久保ちゃん、久保ちゃん」
「……んー?」

ゆっくりと瞬いて、目が合う。
にっこりと最大級の笑みを浮かべてやりながら、ひと言。

「久保ちゃん、腹減った」

しばしの無言。
やがて意図を察したのか、思わず、といった風に額に手を当て大きな溜め息を吐き出した。

「……やられた」
「昼飯は、久保ちゃんだからな」

思惑通り朝食を作る事を免れた事に満足して、脱ぎ散らかした服に手を伸ばした。

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