since 2005年8月12日
突然、顔に陽が当たり眩しさに目が覚めた。
目を開けようにも強過ぎる光に痛みが勝り、何度か瞬きをしてやり過ごす。
「目が覚めたかね?」
「……真田さん?」
声のした方に視線を向ける。
すっかり身支度を整えたその姿と、まだベッドの中に居る自分。
決して短くはない時間をこの男の側で無防備に過ごしていたのかと思うと、我ながら順応力の高さに感心すら覚えた。
「30分で支度をしたまえ。この後の取引きに遅れる訳にはいかないのでね」
「……連れてくつもりならもっと早く起こしてくれれば良いのに」
30分。与えられた時間をどう配分して身支度にあてようかと回らない頭で考える。
「せっかく気持ち良さそうに眠っているのをわざわざ起こすのも無粋というものだろう?」
「結局起こされましたけどね?」
「私はただカーテンを開けただけだよ」
何か問題でも?
そう、笑みを深めるその人に苦笑を浮かべる。
先ずはシャワーを浴びてこようとベッドから身体を起こした。
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