since 2005年8月12日
マグカップに温めた牛乳を注ぎ入れる。
砕いたチョコを落としてかき混ぜれば。
「なあ、さっきから何作ってんの?ココア?」
コーヒーとは違う甘い匂いに誘われたのか、時任が手元を覗き込む。
「いや、ホットチョコ。飲んでみる?」
零さないでね。
手渡したマグカップに恐る恐る口を付け、舌先で温度を確かめてから安心したようにゆっくりと中身を傾ける。
心配しなくてもちゃんと最初から時任好みの温度に仕上げてあるのにね?
そんな仕草ひとつ取っても見ていて飽きない。
「うん、美味い」
「そ。それなら良かった」
「つーか、何で急にホットチョコ?」
「え?だってほら、」
今日はバレンタインデーだから。
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