壊しかねない抱き方をしながら、壊されたいのは俺の方だったりして。

【目は口ほどに物を言う】

荒い呼吸を整えるのもそこそこに、不意に時任がベッドに投げ出していた身体を起こした。
煙草を揉み消したのを見計らったかの様に肩を押され、今度は俺の背中がベッドに着く。
腰の上に乗られ、見下ろされる。

「なに、まだ足りないの?」
「その言葉、そっくりそのまま返すけど」

時任が身を屈めた。
キスされるかな、と思いきやその唇は予想を外れ耳元へ。

「物欲しそうな目してるくせに」

愉しげでいながら幾分かの蔑みを含んだその声に、ゾクリとした快感が腰を突き抜けた。