シーツ(※真治注意)

体内に遠慮なく押し入ってくる指に思わず息を詰める。
たったそれだけの事で初めて覚えた『耐える』という感覚に、龍之介がどれ程の気遣いを持って自分を抱いていたのかを知る。

―何で、こんな時に。

思い出したく無い訳では無いが、今思い出して良いものでもない。
思いがけず知ってしまった龍之介の優しさと彼に対する後ろめたさに唇を噛み締める。
洗い晒しの使い古したシーツには無いサラリとした感触を背中に受けながら、相変わらず優しさの微塵も無い圧迫感に息を殺した。