swallow

ソファーに座る俺の膝に不意に時任が跨ってきた。
湿り気を帯びた肌とふと感じた嗅ぎ慣れない匂いに覚えた違和感は強引な口付けに掻き消された。
意外と思い切りのいい時任の行動に、どうしたものかと考える。

「なあ、しないの?」
「したいの?」

訊き返すと、あからさまに不満だという視線に見下ろされた。

「さっき滝さんとヤって来たんだけど」
「……それで?」
「やっぱり久保ちゃんじゃないと満足出来ないから」
「んー、色々と言いたい事はあるんだけど」

とりあえず、いちばん重要だと思う言葉を選び抜く。

「優しく出来そうにないけど良い?」