朝になった、夢じゃなかった(※龍治注意)

微睡からゆっくりと引き上げられる様に目が覚めた。
ケータイのアラームに無理矢理起こされた時の様な不快感はまるで無く、幸せな夢を未だ引きずっている様な多幸感さえ覚えた。
無意識の内にサイドテーブルの煙草に手を伸ばすと、掛布がずれて隣りで眠る治の白い肩が露わになる。

「……やっぱ、夢じゃなかった」

思わず漏れた独り言に苦笑して、冷えないようずれた掛布を丁寧に掛け直す。

起きたらまず、何て言おうか。

几帳面な治の事だから、目覚ましのアラームだけはしっかりと掛けているだろう。
残された猶予は、あと少し―