嫉妬

時任がいま、嵌まっているもの。
それはTVゲームよりもお手軽な、小さな小さなケータイゲーム。

「ときとー」
「んー」
「時任ってば」
「うん」

もう何度となく繰り返したこのやり取りを、飽きる事無くまた繰り返す。
だけど真剣な表情で画面に向かう時任は聞いているのかいないのか、返って来るのは生返事ばかり。

「構ってよ」

抱きしめちゃうよ?
手を伸ばせば腕を回せる、そんな距離で。
目の前で揺れる後頭部に、そっと口付けた。