雑音

それを掻き立てたのは、ほんのイタズラ心。
先にベッドに入った時任があまりにも気持ち良さそうに眠っていたから。
何の気無しに布団から覗く頬に触れた手を首筋に滑らした、その瞬間。

「ん、やめろって……滝さ、」
「……滝さん?」

むずがりながらも笑みを含んだ様な表情とか、その声が妙に色っぽかった、とか。

「あー……何かムカつくなぁ」

自分の名前では無いコトバを吐き出した忌々しい唇を、起こさぬ様にそっと撫でつけた。

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