目眩がするような

例えば、いま煙草を挟んでる指先が。
時折つまらなさそうに雑誌を捲ったり、テレビのリモコン操作してたり。
そんな何気ない動作を繰り返すその指が、同じ指で、俺の弱い所をなぞったり
何度も出し入れを繰り返したりしたかと思えば好き勝手にナカを掻き回してドロドロにしたり、
いやそれよりももっと確かな熱で翻弄して欲しい、

「時任、」
「なに久保ちゃん」

呼ばれてふと我に返る。

「お前ね、いま凄くエロい顔してる」

誘ってるの？
そう、笑みを含んだ瞳に覗き込まれる。
その視線に込められた熱までは隠し切れてない。

「ねえ、」
「そ。誘ってんの」

久保ちゃんの手から煙草を取り上げて。
唇をなぞる指先に舌を這わせた。