寝る子を起こさぬように

暑さだけでは無い、寝苦しさでふと目が覚めた。
寝返りを打とうにも思う様に動けず、背後から絡みつく様な腕にしっかりと抱え込まれ、寝苦しさの原因はこれかと気付く。

「久保ちゃ、」

起こそうとして、ふと止める。
しがみつく様な腕を見下ろして、子供みたいだ、と。
ひっそり笑んで抱かれたまま目を閉じた。