そんな愚かな二人を

肩に色濃く残った赤い筋。
傷そのものよりも、そっとなぞる指先が。

「痛いか?」
「いいや、痛くなんか無いよ」
「嘘付け。久保ちゃん今ちょっと震えたろ」

時任が小さく笑って、まだ薄く血の滲む肩口に頬を寄せる。

「うん、そーね。痛いけど」

時任がくれるモノなら、その爪痕ですら。

「キモチイイから」