ストレス

うとうとと微睡む合間に身体が揺れてる様な気がした。
耳の奥に残る波の音。

なんだか、船に乗ってるみたいだ。

ぼんやりとそう思った瞬間、ダメだった。
突然込み上げた吐き気に飛び起きる。

「―っ、う、」

ベッドの下に置いてある洗面器を掴み取って、抱え込む。
とは言ってもここ暫くマトモに食事を受け付けない胃に吐き出せる物なんて何も無くて。
胃液ばかりが逆流して辛い事この上ない。

「大丈夫か?」

大丈夫じゃない。吐きそう。気持ち悪い。
何一つ言えないまま、弱々しく首を振る。

「うん。辛いね」

気遣うようにそっと抱き寄せる腕にしがみ付いて。
焼ける様な痛みを殺した。

6巻直後