AM

ひどく嫌な夢を見た。
と言っても目が覚めた瞬間に見ていた夢の内容なんて消し飛んで、後に残るのはただ嫌な夢を見た、という不快感だけだ。
それでも。

「くぼちゃん、」
「ん?」

起こしたかな。
じっと息を殺せば、それはどうやらただの寝言で。
無意識に伸ばされた腕に縋るようにその身体ごと抱き込んで。
確かな温もりを確かめて目を閉じた。

朝はまだ遠い。