夢見る羊

はい、と手渡されたのは両手で抱えるにしても結構な大きさのラッピングバック。

「何これ」
「開けてみて?」

言われるままにリボンを解いて、少々手荒に中身を袋から引きずり出して見れば。

「……ひつじ?」
「そう、羊」

出てきたのは何処か間の抜けた、見ているとこっちまで眠たくなるような寝顔をした羊のぬいぐるみ。

「で、何だよこれ」
「何って、クリスマスプレゼント?」

いやいや、なんで疑問系なんだよ。
じゃなくて。

「なんで羊のぬいぐるみなんだよ」

しかも、なんかふわふわ。
どっか頼りない。

「んー?俺が居なくても時任君が寝付けるように?」
「馬鹿にしてんのか?」
「いやー、だって可愛くない?」

―羊のぬいぐるみ抱っこして寝てる時任とか。
黙って持っていた羊を久保ちゃんに投げつけた。

時任のぬいぐるみ抱っこは絶対に可愛いメリークリスマス。