since 2005年8月12日
何かが足りない。
けど、それが何なのかが分からない。
満たされているのに何かが欠けているような。
ジグソーパズルの1ピースが見つからないような、そんな感覚。
いつものように久保ちゃんが朝飯を作って。
当たり前のように俺はそれを食った。
でも、何かが足りない。
何だろ?
飯の量は十分足りてる。
けど、そんなんじゃなくて、決定的な何か―
「なに朝から難しい顔してんの、時任は」
久保ちゃんが面白そうに俺の顔を覗き込む。
「久保ちゃん……」
ああ、分かった。
「なあ、久保ちゃん」
「うん?」
「頼みがあるんだけど」
「なに?」
「ギュッてして」
俺の頼みに久保ちゃんは微笑むと、望んだ通りに優しく抱きしめられた。
「ホント可愛いよ、おまえは」
「可愛いって言うなっ」
俺だって恥ずかしいんだからな!
enough...?