since 2005年8月12日
「甘い物が欲しい」
ふとした瞬間に俺が漏らした一言。
時任は先程からゲームに夢中で、俺の言葉に気付かない。
「ねえ、時任」
「なんだよ」
名前を呼べば、返事はしてくれたけど。
「甘い物が欲しい」
「セブンで買ってくればいいじゃん」
だけど時任の目線は相変わらず、テレビに向いたまま。
「別に買いに行かなくてもいいんだよね」
「は?」
黙ってリモコンを取り上げ、テレビの電源を切る。
「ちょっと、久保ちゃ、」
抗議の言葉を唇で遮って。
「甘いもの。ちょうだい?」
「……バーカ」
あきれたように笑いながら、腕を回す。
そんな君がダイスキ。