since 2005年8月12日
激しく乱れたシーツの上で俺から奪い取ったゴムを手に見下す時任はいつもにも増して挑発的。
「物欲しそうな目で見てんなよ、久保ちゃん」
「あれ、そう見えた?随分と都合の良い目だね」
艶やかな笑みを浮かべていながら、その瞳だけは酷く冷たい。
まったく、何処で誰とこんな遊びを覚えて来るんだろうね?
声に出して問い質した所で、適当に流されるか、馬鹿正直に何の悪びれもなく他の男の名が出て来るか。
どちらにせよ、腹立たしい事には変わりない。
「で?」
「で、って何」
「どーするの、ソレ」
「さあ?久保ちゃん、どうしたい?」
そう、小首を傾げ訊き返す時任は優しいようで優しくない。
そんな答え、分かりきってるクセに。