dominate

まったく、君の神様はどうかしている。

「あのさ、普通ものには順序ってものがあるんじゃない?」
「何、じゃぁあんたの事好きって言って手握ってキスしてからだったらいいワケ?」
「いや、そーいう事じゃなくてさ……」

馬鹿馬鹿しい、とでも言うように嘲笑する黒猫にふと沸いた、悪戯心。

「じゃあなに、してって言えばしてくれんの?」
「しない。それは久保ちゃんだけ」
「だよねぇ」

分かってはいたけどね。
俺は、単なる君の“オモチャ”でしか無いってことくらい。

「それにさ、今更じゃん?」
「そりゃそーだけどさ」

だからこそ。
期待ぐらい、させてくれてもいいじゃない?

「くぼっちにバレて殺されるのは、君じゃ無くて俺なのよ?」
「バレなきゃいいんだろ。俺は絶対に言わねーし」

べつに、知られたって構わないよ。
本当は、もうずっと前から。

「分かった分かった。じゃあ、もし俺が殺されたらせめて骨は拾ってくれよ」
「気が向いたらな」

とっくにバレてるんだから。