05

物言いたげな時任の視線。
敢えて気付かない振りを続ければ。

「久保ちゃん、俺様喉が渇いた」
「冷蔵庫にまだ飲み掛けのコーラがあるっしょ?」
「俺が持って来んのか?」
「……そーなるよね、やっぱ」

形ばかりのため息を吐いて立ち上がる。
俺の負け。