since 2005年8月12日
右肩に掛かった馴染みある重み。
読んでいた本を閉じ目を向ければ、案の定、時任が寄りかかって眠っていた。
時計を見れば、もう深夜と言っても差し支えない時間。
いつの間にか、時任が見ていたバラエティー番組が終わり、昔の洋画が放映されていた。
失われていた時間の感覚が急速に戻って来る。
「時任、起きて……」
「……」
声を掛けてはみたものの、完全に寝入ってしまっているのか、目を覚ます気配が無い。
静寂に包まれる深夜の中、感じるのは静かに流れる音声と右肩の温もり。
再び時計を見てみれば、映画が終わる時刻まであと30分。
もう少しだけこの時間を堪能するのも悪くない。